スバルショップ三河安城の最新情報。「技術ミーティング」から、スバルの長期戦略を分析する。| 2020年2月12日更新
ニュース ピックアップ [ スバル 最新情報 ]
2024年11月09日 スバル
2024年10月18日 スバル
2024年08月07日 スバル
2024年06月14日 スバル
2024年06月02日 スバル
2024年05月24日 スバル
2024年04月27日 スバル
2024年02月04日 スバル
スバルに求められるタフネスユースに耐えうる、新時代のBEV。その登場は間もなく。
脱炭素社会への貢献は、21世紀を生きる企業にとって、必須の取り組みです。しかし、スバルの直近課題は、ここにありました。特殊なスバルのパワーパッケージでは、他社技術の応用は容易ではなく、勢い自主開発に頼らざるを得なかったのです。
トヨタとの提携強化は、環境性適合という最重要課題の解決を図りつつ、自らの個性強化に全力を投じる転機となります。今後、スバルの開発作業は、ハードウェアはトヨタグループ各社から供給を受けつつ、自身は制御領域で作り込みと煮詰めを行い、よりスバルらしいコンポーネントへ仕上げることに主眼を置くことになるでしょう。
既に、次世代へ向けた胎動は始まっています。先陣を切るのが、トヨタと共同開発中のBEV。こちらは、2022年までには発売されるでしょう。「ミディアムSUV」と呼ばれてきたこのBEVですが、ミディアムより若干小ぶりのサイズに見えます。このBEVには、スバルのAWD技術が余すところなく注がれており、スバルSUVらしい走破性を実現するものと思われます。このモデルは、スバル/トヨタの新時代を切り開く嚆矢たる存在となるでしょう。
続いては、ストロングハイブリッドモデルが順次市場投入されます。米国では、先行してトヨタのTHS技術を応用したPHVモデルを発売中であり、このHVユニットを「ストロングハイブリッド」として、2020年代中盤に国内展開する計画です。
近い将来、スバルはビハインドを解消して、世界に伍す環境性能を有するブランドにステップアップすることになります。
オールジャパン体制で、各国・各地域に於けるCO2削減の最適解に応える。
2019年06月26日 スバル
今後各国で施行される、CO2排出規制はCAFE方式と呼ばれるもの。これは、各メーカー毎に1年に販売した、個々の車両の燃費値を総じて、その平均を算出する方式です。各国が定める目標値を下回ったメーカーには、相応のペナルティが課されることになります。
その算出には、現在2つの方式が存在します。一つは、日本や中国、米国等が採用する「Well-to-Wheel方式」で、燃料の産出・輸送・生成の各段階に於けるCO2排出量を含めて算出するもの。もう一方は、EUが採用する「Tank-to-Wheel方式」で、車両に供給された段階からに限って、燃費を算出するもの。
BEVは発電・送電・充電の各段階で少なからぬロスが生じるため、実はCO2削減に対するベストな回答ではありません。電力需給に余裕がある地域ではBEVは充分有効でしょうが、電力に限りがある地域には当然不向きです。また、産油国では超高効率内燃機関の方がむしろ有効なはずです。つまり、各国・各地域によって、CO2削減の最適解は異なるはずなのです。
EUが採用するTank-to-Wheel方式は、燃料の産出・輸送・生成の各段階を考慮する必要がありません。これらのロスを一切無視できるのです。そのため、Tank-to-Wheel方式の最適解は、常にBEVとなります。EUは、護送船団方式でBEV開発を進めています。つまり、Tank-to-Wheel方式は、BEVありきの規制なのです。
逆に、トヨタを筆頭とする「オールジャパン軍団」は、複数のメーカーが連帯することで、動力源に対する全方面作戦を展開。世界各地に於ける最適解を常に提示できる体制を構築し、脱炭素社会の実現に邁進していきます。スバルも、チームの一員として、その一翼を担っていくことになります。
壁に当たらぬ者に未来は見えない。その壁の向こうに、スバルが見出す未来の姿とは。
スバルは、変わらぬクルマづくりを継続しつつ、新たな時代へ対応していく戦略を採用しました。現在のスバルから個性を抽出し、それを進化させつつ、新時代へアジャストする。激変の時代に、スバルは敢えて「変わらない」ことを選択したのです。
ただ、この20年、大衆が自動車メーカーに求めるものは大きく変化しています。ワクワク・ドキドキは既に過去のものとなり、クリーンで持続性のある社会の実現への貢献が、何よりも評価される時代となりました。この動きはさらに加速するでしょうから、その動向に寄り添うことこそが、未来を拓くカギとなるでしょう。
しかし、世界各国の足並みは一向に揃いません。それぞれ自国の事情に鑑みるばかり、思惑もベクトルも全く異なっているのが現状です。そこには、様々な「大人の事情」があるのは事実でしょう。しかし、現実的に今年の冬は明らかに異常を来しています。状況は、待ったなしで差し迫っているのです。だからこそ、時代はグレタ・トゥンベリという存在を求めるのかも知れません。
もし、自動車メーカーが本心から持続可能な社会を志向するのであれば、そもそも「古くなった自動車を代替えする」という消費財としてのあり方自体が、既に招かねざることなのかも知れません。自動車工業という産業を、根幹から見直せねばらなぬ時なのでしょうか。
人は前に進むから、壁に当たるのです。前に進まぬ者は、生涯壁を見ないでしょう。しかし、壁を見ぬ者に進化はあり得ません。ただ、壁を見た者は、その壁を乗り越えようと、努力と研鑽を始めます。その積み重ねがいつか実を結んだ時、壁を乗り越える瞬間がやってきます。しかし、その先で彼らは、再び新しい壁に出会うのです。そうして、人類は進化を続けてきたのですから。