スバルショップ三河安城の最新情報。5年目を迎えたBRZ。大変革を遂げて後期型へ進化。| 2016年7月13日更新
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ビッグマイナーを敢行。より魅力的になって、再登場した後期型BRZ。
「若者の自動車離れ」を打破すべく大いなる期待を持って開発された「86/BRZ」は、2011年11月に発表。世界から熱い注目を集め、北米を中心に沸き起こった「JDM」ブームの牽引役ともなりました。300万円台前半から手に入る「86/BRZ」は、チューニングベースとしても最適で、日本のみならず世界各地で豊富にパーツが用意されています。
そんな「86/BRZ」ですが、発売から4年を経過。ブラッシュアップを図るべく、7月5日に大幅な改良を含むビッグマイナーチェンジを発表。今回は、その詳細をレポートします。
発売は8月1日から。「Yellow Edition」は100台限定。
2012年2月の発売以降、初めての大規模改良となる今回のビッグマイナー。なお、その発売は8月1日からですが、今回から追加される最上級グレード「GT」と、専用色を纏う100台限定の「Yellow Edition」は今年秋の発売となります。 ビッグマイナーの内容は、内外装問わず多岐に渡るものです。スバルのオフィシャルリリースに記載されている改良点は以下の通りです。
【SUBARU BRZ の主な改良内容】
1. 走行性能
(1) パワーユニット(MT車)
吸排気系の効率を高める事でクルマ全体のバランスを保ちながら全域でトルクを向上させ、ドライバーの意思にリニアに反応する加速性能を実現。あわせてパワーユニットの耐久性を強化しました。
a.最大出力:152kW(207PS)/7,000rpm (従来:147kW(200PS)/7,000rpm)
b.最大トルク:212Nm(21.6kg・m)/6,400-6,800rpm (従来:205Nm(20.9kg・m)/6,400-6,600rpm)
c.吸気脈動効果最大化のため、インテークマニホールドブランチ長最適化とポート断面積を拡大(赤ちじみ塗装を追加)
d.インテークマニホールド材質アルミ化
e.吸気ブーツの形状変更による吸気抵抗の低減
f.エアクリーナーケースの大型化とエアクリーナーエレメントの変更
g.吸気ダクトの形状変更
h.エンジンブロック・軸受け部の剛性向上やピストン耐力向上のためショットピーニング処理追加
i.ファイナルギア比の変更
j.トランスミッション 6thギアの耐久性強化
(2) ボディ&シャシー
① ボディ
操舵応答性向上と静粛性向上のために補剛材の追加や制振材の最適化しました。
・V型タワーバー取付部の補剛
・リヤホイールハウス外側への補剛材追加
・制振材の形状・板厚・材質を最適化
② サスペンションの改良
新開発のショックアブソーバーの採用、前後のロール剛性配分の最適化などを行い、より安定感のあるフラットな乗り心地と、滑らかかつレスポンスに優れた操舵特性を実現。より質感の高い走り味に仕上げました。
・フロント・リヤショックアブソーバーのバルブ構造および減衰力の変更
・前後のコイルスプリング定数変更とリヤスタビライザー径のアップ
・フロントコイルスプリングの荷重軸管理追加
③ VDC システムの変更
・VDC 介入タイミングの最適化
・“TRACK”モードの新規追加
④ 電動パワーステアリング ECU のアシストマップの変更
⑤ ヒルスタートアシスト機能の採用
2. エクステリア
(1) 新デザインフロントバンパー
(2) フル LED ヘッドランプ・リヤコンビランプ
(3) LED フロントフォグランプ
(4) 新デザインフェンダーガーニッシュ
(5) 新デザインリヤスポイラー
3. インテリア
(1) インストルメントパネル(レザー調素材巻+レッドステッチ) 【S グレード】
(2) ニーパッド(レザー調素材+レッドステッチ)【S グレード】
(3) 新設計ステアリングホイール
(4) メーターパネルバイザー(レザー調素材+レッドステッチ) 【S グレード】
(5) デザインフルオートエアコンスイッチパネル 【S グレード】
(6) マルチインフォメーションディスプレイ付新メーターパネル【S グレード】
航空機をイメージしたウイングレットデザインを採用し、大きくイメージを変えたフロントエンド。
航空機のウイングレットをイメージした形状が斬新なフロントエンド。このデザインは、2015年4月に発表した「STI Performance Concept」で初めて姿を表した、スバルの新たなデザインモチーフです。この意匠は、次期インプレッサにも採用されており、今後各モデルに波及していくものです。新意匠の採用によって、フロントエンドのアイキャッチがより低く、かつ外側に移されたために、ワイド&ローのイメージが強くなりました。
このウイングレットデザインですが、FHIが中央翼を生産する各機体には何とウイングレットが無い!あるのは唯一、翼胴フェアリングと主脚扉を担っていたBoeing767のうち、長距離型300ER型のみ。しかも、767の生産は既に終了。この辺りの解釈は、微妙なトコロです。
燈火類はハイビーム、フォグランプを含め、全てLED化。闇夜に、コの字型のアイラインが美しく浮かび上がります。ターンシグナルは、前後共に6連LEDに進化。水平基調のレイアウトが、ワイド&ローを強調します。
フロントエンドの形状変更は空力性能の向上も意識しており、数値は明らかにされてはいないもののCL値の改善が図られているようです。これに合わせ、GTグレードに装備されるリヤスポイラーも新形状を採用。直付のリップタイプから、翼端板を備えたフローティングタイプへと進化。材質もアルミ製に変更し、下面の流速を改善してダウンフォースを高めています。
マルチインフォメーションディスプレイを採用。一気に進化を遂げたインテリア。
まるで別物といってもいい程、質感が向上したインテリア。その話題の中心は、「R」「GT」のグレードに新採用されるマルチインフォメーションディスプレイでしょう。近年、燃費情報を中心に、アラートメッセージなど、様々な情報を表示するフルカラーディスプレイの採用が進んでいます。
今回、BRZはアナログメータをタコメータとスピードメータのみとして、その他計器表示はすべてディスプレイ上に移行しています。中央に据えられたタコメータは、ゼロ位置を6時に変更。右下をディスプレイ表示とし、ここにシフトポジションとスピード、フューエルゲージを据えています。右側のリング内は、すべてディスプレイ上。ここには任意で、6種の表示が可能。燃費系、運転時間などのインフォメーションの他、水温・油温・電圧ゲージの表示も可能です。さらに、新機軸としてGモニター、エンジンパフォーマンス、ストップウォッチの表示が選択できます。週末はミニサーキットで腕を磨くといった方には、うれしい新装備でしょう。
ステアリングホイールは3mm小径化。断面形状も変更し、操作性とグリップ感の向上を図っています。各部に赤ステッチを施すとともに、ソフトパッドの採用部を拡大。ワンランク上の上質なスポーツカーとすべく、各部の入念な改良を実施しています。
吸排気系の改良により、パフォーマンス向上を果たした「FA20」ボクサーエンジン。
今回、6MTモデルを対象にエンジンパフォーマンスの向上が図られています。
ボンネット内で一際存在をアピールする、レッドにペイントされたインテークマニホールド。材質は樹脂製からアルミ製に変更、インテーク長の最適化とポート面積の拡大を図っています。さらに、吸気ブーツ、エアクリーナ、吸気ダクトを変更。圧損の低減のほか、吸気脈動の効果を最大限に引き出し、吸気効率を高めました。
フロントエキゾーストパイプにも変更が施されました。ブランチ径を45→48.6mmに拡大した他、4-2-1の集合形状も改良。排気圧損の低減も図っています。
このエンジンの改良によって、エンジン全域でのトルク向上と、ピュアスポーツにふさわしいリニアリティを実現。さらに、ファイナルギア比を4.100から4.300に変更したことで、ローギアード化。加速性能の改善を実現しています。その影響で、何と燃費が悪化!このご時世に、珍しいマイナーチェンジです。よく、トヨタ側のOKが出たものです。
ボディ剛性の向上とサスペンションの改良によって、「動的質感」を改善。
BRZのボンネットを開けると、バルクヘッドに向かっての伸びる2本のバーが認められます。V型タワーバーと呼ばれるこのバーはフロントエンドの剛性を高め、ハンドリング性能の向上に大きな役割を果たしています。今回のビッグマイナーでは、このV型タワーバーのバルクヘッド側取付点ブラケットの板厚をアップ。また、リヤホイールハウス外側でも補強を実施。前後サスペンションからの入力を、よりしっかりと受け止められるように改善を図っています。
床面の制振材の形状、板厚、材質を変更。これによって室内透過音の低減を図り、動的質感の改善を狙っています。
前後サスペンションには、大幅な改良が実施されています。ロール剛性をリヤ寄りに変更、コーナリング時にフロントが沈み込むセッティングとすることで、旋回性を向上。この他、様々な改良によって、ドライバリティを改善。よりリニアかつコントローラブルなハンドリングを実現しています。
以下の変更により、応答性と操縦安定性を向上させるとともに、乗り心地の改善も同時に実現しています。
(1)前後コイルスプリング&リヤスタビライザーの変更
a.前後コイルスプリングのばね定数変更とリヤスタビライザーの大径化によって、ロール量を低減。前後ロール剛性配分をリヤ寄りに変更し、旋回性を向上。
b.フロントコイルスプリングの伸縮方向をコントロールして荷重軸を最適化。操舵時の舵力の左右差を低減し、滑らかで質感の高い操舵感を実現。
(2)前後ショックアブソーバーの変更
a.ロッドガイドブッシュ摺動部の材質を変更。フリクションの横力依存性を最適化。横力変化に応じたフリクション設定が可能となり、滑らかかつしっかりした質感の走行性を実現。
b.バルブ構造の変更によって、作動オイル流路をより滑らかに接続。微小ストローク時の減衰力立ち上がり応答性を大幅に向上、減衰力を高めることなくコーナリング時の姿勢制御が可能となり、乗り心地と操縦安定性を両立。
(3)電動パワーステアリングの改良
a.電動パワステECUのアシストマップを最適化。質感の高いステアリングフィールを実現。
(4)VDCのシステム変更
a.ドライバーの車両コントロール領域の拡大を図るべく、システムの介入タイミングを遅らせた「TRACK」モードを追加。BRZとして初めて、オーバーステア状態でのマシンコントロールを実現しています。
b.「VDC OFF」モードの制御内容を変更。6MTモデルではブレーキLSDをOFFとして、ドライバーコントロールを重視した設定としています。
(5)ヒルアシスト機能の追加
a.ブレーキから足を離しても1〜2秒間ブレーキを保持し、上り坂や下り坂での発進時の不意の動きを防止。
新グレード「GT」の追加。
今回のビッグマイナーに伴ってグレード構成を変更し、上級グレードとして「GT」を追加しています。
・GT専用 17インチアルミホイール(スーパーブラックハイラスター塗装)
・Sachs製ダンパー
・brembo製17インチ対向4ポッドフロントベンチレーテッドディスクブレーキ
・brembo製17インチ対向2ポッドリヤベンチレーテッドディスクブレーキ
・リヤスポイラー
・フロントシートヒーター付アルカンターラ/本革シート(BRZロゴ刺繍)