XV HYBRID tSは、STIの未来を変えるのか。変えられないのか。 [2016年08月04日更新]
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STIおよびXVに関する最新情報。
XV hybridにtSを追加。ポップでビビットな1台。
スバリストしか欲しがらない、本当に濃い1台。そんなチューニングばかりだったSTIが、いま変化を期待されています。その第一弾が、レヴォーグに追加設定されたSTIスポーツでした。初めて台数限定のないカタログモデルであり、欲しい時にいつでも買える初めてのSTIとなったのです。
そして、今回登場した「XV HYBRID tS」。このクルマは、いったいSTIのどんな未来を指し示しているのでしょう。XVのキーカラーである、ビビットなオレンジ。それを、アクセントとして内外装に散りばめ、ポップで刺激的な1台に仕上がっています。
チューニングのレシピは、ごくフツー。
メカニズム面から見れば、STIの王道とも言うべきチューニングが行われたと言えます。市販のフレキシブルタワーバーとフレキシブルドロースティフナーに加えて、前後のスプリングとダンパーを専用品に交換。マフラーもSTI製に換装済みです。
ボディのたわみ、ゆるみによる操舵応答性の遅れを取り除き、より精度の高いハンドリングを得る。STIならではのハンドリングに仕上がっていることでしょう。
メカニズムよりも、ビジュアル重視。STIが示す新しい可能性。
オーソドックスなチューニングに比べて、そのビジュアルの変化は大掛かりなものです。まず、目に付くのが、鮮やか過ぎるホイール。フロント、サイドアンダースポイラーとリヤルーフスポイラーには、オレンジのピンストライプが入り、フツーのスバルではないことを強くアピールします。
インテリアに目を移すと、さらに刺激的。シート、ドアトリムに大胆に配されたオレンジが、見る者を強く刺激します。これでもか、という程のオレンジ攻撃。実に強烈です。
北米向けじゃないのか?と思わせるほどの、刺激。これを、Wicked Big MeetでアチラのSubieに見せたら、どーなっていたのでしょうか。恐らく、その場で完売間違いなでしょう。しかし、日本では果てして・・・。
チョット羽目を外してみました。
STIのチューニングは、そのオギョーギの良さが特色でした。そこまでこだわるか、と唸るほど微に入り細に入る、きめ細やかな仕立て。それが、STIの王道。しかし、それがSTI自身(スバルも?)を束縛し、可能性を狭めていたのは事実です。
本やネットで見て、STIってイイなって思ってディーラーに行ってみると、随分前に完売御礼。欲しいけど、買えない。値段の問題じゃなくて、何ヶ月も前から「予約の予約」をしないと買えない。いったい何時買えるのか?
そんなジレンマから抜け出したい。そんなSTIの思いが透けて見えてきます。
そのジレンマに気付かされたのが、海外への進出だったのでしょう。Wicked Big Meetに行けば、時代がワークスチューニングブランドに求めいるものは、何か。自ずと理解できるはずです。トガったイメージが、ブランドに若々しさと刺激を与え、新たなユーザー層とファン層を掘り起こす。それが、Audi Sportであり、AMG、M、そしてPole Starなのです。
全ての人が、高額なハイエンドチューニングモデルを購入する訳ではありません。しかし、ハイエンドモデルとすれ違った瞬間に抱く「羨望の気持ち」が購入意欲を潜在的に高めていくのです。
もっと羽目を外しても、イイんじゃないか。
STIが初めて挑んだ、ビジュアル系チューニング。ただ、まだ弾け切らないもどかしさも残ります。ボディーカラーはマット系があってもイイでしょうし、ボンネットとルーフはブラックか、派手にラッピングをしてもイイかも知れません。もう、日本じゃ乗れない。そんなド派手なアピアランスとなるレシピを、オプションで用意するのも楽しかったのかも知れません。