日本勢絶好調。トヨタ、ホンダ、マツダが輝かしい優勝。スバルは・・・。 [2019年07月07日更新]

モータースポーツ STI
 
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日本のモータースポーツ最高の1ヶ月。
 
2019年7月7日 ルマン、F1、IMSAで各メーカーが優勝を飾る。

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文責:スバルショップ三河安城 和泉店

お問い合わせ:0566-92-6115

担当:余語

 

日本勢絶好調。トヨタ、ホンダ、マツダが輝かしい優勝。スバルは・・・。

2019年6月は、日本のモータースポーツにとって、最高の1ヶ月になりました。

6月15〜16日には伝統のルマン24時間レースでトヨタが日本車初の2連勝を飾り、30日にはホンダはF1オーストリアGPで2006年以来の優勝、同日マツダ・チーム・ヨーストはIMSA第6戦ワトキンスグレンで1−2フィニッシュを果たしています。また、22〜23日に開催されたニュルブルクリンク24時間では、KONDO RACINGの日産GT-Rは総合9位と大健闘。我らがスバルも、総合19位で粘り強く完走を果たしています。

各々が、辛い不遇の時期を長く過ごしてきただけに、その喜びも一入でしょう。

 

トヨタ、ルマン2連勝:ルマンを完全制圧。勝つべくして、勝つ。その強さをトヨタは遂に手に入れた。

ルマン24時間レースは、間違いなく世界で最も過酷なレースです。全開区間は極めて長く、平均速度は240km/h近くに達します。公道区間で達する速度は、350km/h。そして、繰り返すフルブレーキング。マシンのあらゆる箇所が徹底的に痛めつけられ、僅かな綻びも隠し通すことはできません。まるで、難攻不落の霊峰の如く、数多の勇者を谷底に叩き落としてきました。

トヨタほど、ルマンの過酷さを知っているメーカーはありません。2位を獲得すること、5回。勝利を確信した2016年は、永遠に語り継がれる23時間55分の悲劇。。。

ようやく戴冠を遂げたのは、2018年のこと。2017年の激戦を制したポルシェが撤退。「横綱」としてルマンに現れたトヨタは、徹底した準備と開発により勝利の方程式を完成させると、完璧なオペレーションでレースを完全制圧したのです。そして、今年。さらに強さを増したトヨタは、完璧なレース展開と盤石のスピードを発揮。終盤までまったくペースを落とさず、ルマンの完全制圧に成功。2連勝は、日本勢初の快挙です。

ルマンに「勝ち」に来て、本当に勝つ。しかし、それは筆舌に尽くしがたいほど困難なことです。運さえ捩じ伏せる強さを、自らのものにする。それを成し遂げたトヨタの人々。その価値は10年後、20年後に大きく結実することでしょう。

2連勝を遂げたトヨタは、2020年以降の継続参戦を発表。その栄華の時代は何処まで続いていくのでしょうか。トヨタ=ルマンと呼ばれる日まで、その挑戦はさらに続いていきます。

 

ホンダ、13年ぶりのF1優勝:フェルスタッペンがオーストリアGPを華麗なオーバーテイクショーで制する。

「GP2! GP2! Wow!!」

フェルナンド・アロンソが無線に叫んだあの日。ホンダ最大の屈辱でした。余りにものエンジンの非力さに、アロンソはホンダエンジンをまるで下位カテゴリーだと罵ったのです。

2015年に始まった、マクラーレン・ホンダの挑戦。それは本当に酷いものでした。ストレートでは迷惑なほど遅く、たった数周でエンジンブロー。2017年、マクラーレンはホンダを全面的に非難し、契約解消を突き付けます。

撤退されては困ると思ったFIAは、東奔西走。結果、四面楚歌のホンダにレッドブルが手を差し伸べます。姉妹チームのトロ・ロッソと2018年からのエンジン供給契約を締結。背水の陣のホンダでしたが、次第に自力を発揮。トップとの差を詰めていきます。2019年、ルノーに嫌気が差していたレッドブルは、自らもホンダへスイッチ。2019年開幕戦オーストラリアGPで、早くも表彰台を獲得します。

そして、2019年6月30日第9戦オーストリアGP。マックス・フェルスタッペンはスタートに失敗し、7番手に転落。ところが、ここからが彼の真骨頂。31周目にタイヤを交換すると、一気にペースアップ!セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)、バルテリ・ボッタス(メルセデス)を鮮やかにパス。トップのシャルル・ルクレール(フェラーリ)にあっという間に近づくと、残り3周で豪快にオーバーテイク!歴史に残る鮮やかなレースで、遂に優勝を遂げたのです。

ピットに雪崩込んだファンは、表彰台のフェルスタッペンを前に、盛大なホンダコール!苦節4年、遂に勝利の美酒を味わう時が訪れたのです!4年前、一体誰がこの瞬間が来ることを予想できたでしょう。その労苦を知っているからこそ、全てのファン、全ての関係者がその勝利を心から祝ったのです。

ホンダの飽くなき挑戦は、信じて闘い続けることの大切さを私たちに教えてくれます。

 

マツダ、IMSA DPiクラス初優勝:マツダ・チーム・ヨーストが1-2フィニッシュで初優勝を遂げる。

米国で独自に開催される、IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ。2009年以来、マツダはIMSAのトップカテゴリーに長らく参戦を続けてきました。しかし、ライバルが軒並み6気筒を採用する中、マツダはたった2,000ccの4気筒ターボとあって、苦杯をなめ続けてきました。

2017年、マツダは名門チーム・ヨーストとの提携を発表します。ヨーストはルマン最多勝の老舗レーシングチームですが、2016年を以て17年に及んだアウディとの活動が終了。新たな提携先を探していたのです。マツダ・チーム・ヨーストはシーズン途中でシリーズを離脱すると、早速テストを開始します。

ただ、ヨーストを以てしても、苦戦は続きました。暗く長いトンネルは出口が見え始めてはいたものの、あと一歩で涙を飲むレースが続いたのです。しかし、その瞬間は近づいている、その確信はありました。

2019年6月30日、ワトキンスグレン6時間。序盤からリードする展開でしたが、途中セーフティカーランでリードを失うも、残り40分で再逆転。見事、1−2フィニッシュを飾ります。

1991年のルマン奇跡の優勝から、既に28年。ようやく手にしたその勝利は、更なる栄光へつながる第一歩となるかも知れません。IMSA最大のイベントは、デイトナ24時間。2020年初冬。その戦いが注目されます。

 

KONDO RACING大健闘:ニュルブルクリンク24時間レースで総合9位入賞と大健闘。

6月22〜23日に開催された、2019年ニュルブルクリンク24時間。例年通り、日本からも数多くの挑戦者がその闘い挑みました。

今年、初参戦で大健闘を見せたのが、KONDO RACINGの日産GT-R。GT3マシンで総合優勝を争うSP9クラスに、彼らはワークスサポートの下、3年計画の1年目として、45号車Nissan GT-R NISMO GT3を1台エントリー。監督の近藤真彦は完走を絶対命令として、難攻不落の24時間レースに初めて挑んだのです。

予選は不調で、25番手からのスタート。決勝ではトップから5〜10秒ほど落ちるペースながら、ミスなく着々と周回をこなしていきます。夜明けを迎える頃から徐々に脱落者が現れ、その度毎にしぶとく順位を上げていきます。GT-Rは、見事10位でチェッカー。ペースで不足は明らかですが、現時点では最善の結果だったと言えるでしょう。※7月7日、総合2位のマンタイ・レーシングのポルシェ911 GT3 Rが、既定の出力を超過していたとして失格。KONDO RACINGは繰り上がって、9位入賞となっています。

しかし、目標は総合優勝です。今のペースから、7〜8秒上げていけば、マシンに対するリスクやダメージは極端に上昇し、考えられないほど数多くのトラブルに直面するでしょう。また、遠征先でのオペレーションは、ロジスティクスや人材確保などは、今後大きな課題となるではずです。ライバルはニュル30年の地元の古豪ばかり。真剣に優勝を目指すのなら、有力ジョイント先を探すのが最善策でしょう。

 

ライバル不在のスバル、孤軍奮闘:ニュルブルクリンク24時間レースでクラス優勝、総合19位。

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同じニュルブルクリンク24時間で善戦したのが、我らがスバル/STI。結果はSP3Tクラスで優勝、総合19位。

如何せん、スバルがエントリーするSP3Tクラスは、ライバルと言えるほどのスピードを持ったチームは不在。しかも、SP9クラスよりもペースが1分近く遅いとあれば、狙うは「完走=クラス優勝」のみという、孤独なレースとなりました。

レースが始まると、WRX STIはクラストップ/総合35位前後を、同一クラスの車両より30秒以上早いペースで周回を重ねていきます。途中目立った降雨に見舞われることなく、夜が明けた後には自身の最速ラップをマークしつつ、トラブルフリーで順調に周回を重ねていきます。レース最終盤は脱落者が多く、順位が19位まで上がったところでチェッカーとなりました。

ライバル不在とは言え、24時間に渡って完璧なオペレーションを完遂できたことは、プロジェクトとしては成功と言えるでしょう。惜しむらくは、ライバルが不在であったこと。レースとは、競争です。ライバルが不在なら、それはレースではありません。特に、ワークスにとってライバルは、絶対に欠くべからざる存在です。なぜなら、勝つことこそが、本当の「チャレンジ」だからです。

勝つためには、何を成すべきか?何を優先すべきで、何を捨てるべきか?何が足りず、何が必要なのか?金か?時か?人か?技術か?そのために必要なのは、結果。。。。

コンペティションが厳しいほどに、人材は育ち、技術は磨かれていくのです。

 

スバルのブランドイメージを体現するSTI。それを軽んじるスバルに未来はあるか?

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中規模メーカーが個性を強めていく時代にあって、スバルの個性を数百倍も濃密に表現するSTIは、スバルにとって欠くべからざる存在であり、今後ブランドイメージの柱とすべき存在です。にも関わらず、スバル本社はSTIに対する投資を渋っているように見えます。

STIが保有するワークスマシンはたった2台しかなく、レース専用エンジンさえ持っていません。100%子会社の彼らは、決算権もなく、決定権もありません。恐らく、ファンの皆さんが知ってしまえば幻滅してしまうほどに、彼らの懐事情と設備の現状は寂しいものでしょう。

スバル本社にとって、ニュルブルクリンク24時間に関するSTIの予算は格安でしょう。たった1台のマシンを、2ヶ月ほどオペレーションするだけですし、マシンは大きく前年と変わりませんから、予算は先に列挙した日本メーカーの活動の10%以下で済んでいるはずです。

当然ながら、この程度の予算でブランドイメージを育てられるほど、自動車業界は甘くはありません。SP9クラスにバンバン周回遅れになっていく姿で、何をPRできる事があるでしょう。ファンが求める姿は、そんなものでは無いはずです。

そう、スバル本社はSTIにはもっと予算と決定権を与え、もっと大きな仕事をさせるべきです!そして、STIは自立し、自らスポンサーを獲得して、ビジネスとしてレースに参加するべきです!

 

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