和泉店にレヴォーグ試乗車配備。 [2015年07月06日更新]
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不可思議なパーツ、フレキシブルドロースティフナー。恐るべし、その実力とは。
「フレキシブルドロースティフナー」は、フロントロアアームの後ろ側の付け根とサブフレームをテンションを掛けた細いロッドで接続するだけのパーツです。ロッド径は5mmほどで、見た目は非常に華奢に映ります。片側のロッドエンドにはダンパーが仕込まれていて、応力を伝達しつつ、若干のストロークを許容する設計になっています。不可解なことに、装着はなぜか片方のみ。左右非対称がどうも腑に落ちない方にとっては、どうにも居心地の悪いパーツです。
この細いロッド。見た目と違って、効果は絶大です。騙されたと思って装着してみてください。フレキシブルタワーバーだけを装着しているレヴォーグユーザーの方には、明日にも装着することをオススメします。
このフレキシブルドロースティフナー、どのような効果があるのでしょうか。
先に述べたように、フレキシブルタワーバーでステアリングレスポンスは劇的に改善されますが、若干腰砕けのような感覚が残ります。恐らくは、ボディが鋭く立ち上がったヨーについていけていない結果だと思われます。フレキシブルドロースティフナーは、この腰砕け感を一掃します。
ブレーキングでフロントに荷重を掛けてターンイン、クリッピングポイントからスロットルを開けていった時、トラクションが鮮やかに掛かります。修正舵は必要なく、スロットルを開けながらステアリングをスムーズに戻していけば、軽やかにコーナーを脱出します。正に、オンザレールの感覚です。
激変したその鮮やかな挙動に、もはやポカンと口を開けるしかありませんでした。恐るべし、フレキシブルドロースティフナー!
フレキシブルドロースティフナーのその原理。
このフレキシブルドロースティフナーは、フロントロアアームの後ろ側のピボットと、サブフレームのセンター付近を、それぞれブラケットを介して接続しています。
これに類似したパーツとして、ヤマハのパフォーマンスダンパーが知られています。クルマのボディは、鉄鋼材料・アルミ・複合材・プラスチックなどを組み合わせて構成されています。それらは全て弾性体であり、各々固有振動数を有しています。つまり、バネとしての特性を持っているのです。そう考えれば、ボディはバネの集合体であるということになります。ボディ剛性を向上させるというのは、このバネを固くするというということでもあります。
タイヤからの入力は、エネルギーとしてサスペンションに伝わります。多くのエネルギーはダンパーで熱に変換されて吸収されますが、どうしてもサスペンションの各マウントを通して、ボディに変形エネルギーとして伝達されます。つまり、ボディ全体が微かにゆがむのです。この「ゆがみ」がタイヤ接地の正確性を阻害する結果、ハンドリングの正確性が低下するのです。逆に、この「ゆがみ」をすばやく収束させられれば、タイヤの接地性を向上させられるのです。
パフォーマンスダンパーは、このエネルギーをボディのどこかに設置したダンパーで吸収しようというものです。この考え方は、建物の免震ダンパーと似ています。変形エネルギーを、ダンパーで熱として「ロス」することで、ボディを落ち着かせます。パフォーマンスダンパーは補強材ではありませんから、ボディの硬さ(=ボディ剛性)は向上しません。向上するのは「粘性」です。粘性体に、変形エネルギーを入力するとエネルギーは熱に変換されて、吸収されます。
このフレキシブルドロースティフナーには、リンク同軸上にダンパーが設けられており、原理としてはパフォーマンスダンパーと類似しているものと考えられます。このダンパーが、コーナリングフォースによって生じた横力に伴うボディに対する変形エネルギーを吸収、結果として発生したヨーモーメントが減衰せず、コーナリングの正確性が向上するのです。フレキシブルドロースティフナーの効果はそれだけではありません。様々な路面入力から生じる変形エネルギーを吸収することで、結果として乗り心地も向上させるのです。
フレキシブルドロースティフナー、見た目からは想像できない相当な実力の持ち主です。ぜひ、ご試乗でその効果をお確かめ下さい。STIの奥深い世界の入り口をご覧になることができるでしょう。
STIラテラルリンクセットを取り付けてみました。
この度、試乗車の「レヴォーグ 1.6GT-S EyeSight ProudEdition」に、STIラテラルリンクセットを導入しました。リヤサスのラバーブッシュをピロボールに置き換えるという、このアップデートキットについてインプレッションをお届けします。
前述のように、この試乗車にはすでにSTIフレキシブルタワーバーとSTIフレキシブルドロースティフナーを導入済みです。メーカーオプションカタログへの記載はこの2点のみですから、これで「STI仕様」の完成!です。フロント廻りのアップデートによって、コーナリング中のヨーの立ち上がりと収束がリニアになり、レスポンスとスタビリティの双方ともが大幅に向上しています。しかし・・・。
STIのWebサイトには、車種ごとにアップデートパーツが用意されています。この中にあるのが、レヴォーグ用「ラテラルリンクセット」です。このキットは、リヤのダブルウィッシュボーンサスペンションのうち、ロア側2本を交換するものです。この交換によって、車体取り付け側のブッシュ(片側2箇所)がピロボールに変更されます。
ロアアームのピロボール化によってもっとも期待されるのは、キャンバー剛性の向上です。ゴムブッシュの場合、微小な変位を許容しますから、振動・衝撃の抑制には良いのですが、横力によっても微小な変位が生じてしまいます。この変位によって、キャンバー、キャスター、トーなどがズレてしまうのです。これがピロボール化によって、改善されるはずです。
実際走りだしてみると、リヤの追従性が明らかに改善されているのが分かります。スラロームのような切返しをすると、リヤが軽やかにフロントに追従します。リヤのコーナリングフォースの立ち上がりが、早くなっているのです。これまで重たさが残っていたリヤが、まるで軽くなったかのようです。フロントとリヤの調和が取れて、バランスが改善したようにさえ感じます。その上、直進安定性はキープされていますから、クルマの動きの精度が向上したような印象を受けます。
このSTIラテラルリンクセット、特筆すべき望外の改善がありました。これまで、少し身構えるような強い路面入力を受けると、車体にはダンッと強い衝撃がありました。固めの足廻りを持つレヴォーグではこうした衝撃は致し方無いのですが、これがスッカリ解消されてしまったのです。スッとしなやかに足が伸びて、顔色一つ買えずにアンジュレーションにしっかり追従する、そんなイメージです。シャシーのキャパシティが増したような、そんな余裕さえ感じさせます。
STIラテラルリンクセット、その効果は劇的なものでは無いかもしれません。しかし、その導入によって足廻りは明らかな進化を見せました。フロントとリヤのバランスが改善されて、熟成度が高まったような印象を受けます。前後の調和が取れたことで、クルマの挙動がより予測しやすくなり、人馬一体感が増しているのです。ぜひ、このキットを導入してください。STIラテラルリンクセットが、レヴォーグの愉しさをより引き出してくれるでしょう。
和泉店デモカー「LEVORG 1.6GT-S EyeSight ProudEditon」を遂に放出!
和泉店で試乗車として使用されてきた、レヴォーグのデモカーを中古車として販売致します。上記記事で記載したとおりのSTIパーツが付属する大変オトクな仕様となっていますので、ご希望の方はお早めにご連絡下さい。
スバル レヴォーグ [ 1.6GT-S EyeSight ProudEdition (STIパーツ装着デモカー) ]
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車両本体価格 | 286.2万円 | |
走行距離 | 25,500km | |
年式 |
平成27年(2015年)6月 | |
車検 | 平成30年(2018年)6月 | |
車体色 | クリスタルブラックシリカ | |
エンジン | 水平対向4気筒直噴ターボDOHC | |
排気量 | 1599cc | |
駆動方式 | アクティブトルクスプリットAWD | |
ミッション | リニアトロニック(パドルシフト付) | |
全長x全幅x全高 | 4690x1780x1485 mm | |
定員 | 5 名 | |
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