スバルは航空産業では地味だけど、実は勝者? [2018年03月06日更新]
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中央翼は、地味だけど、極めて重要な主要構造体。
スバルが生産する中央翼は、極めて地味な存在。ですが、間違いなく構造上の要です。左右の主翼と胴体を繋ぎ、飛行中および離着陸の際に生じる、甚大な荷重の全てを受け止めます。万が一中央翼が破壊すれば、空中分解は必至。中央翼は数多の部品の中で、もっとも堅固でなければなりません。しかも、一旦機体が完成してしまえば、分解修理も不可能。突然の乱気流(静強度)と数千回の飛行(疲労強度)に耐え、機体が寿命に達するまで確実に強度を維持せねばなりません。
しかも、このボックス状の構造体内部は、そのまますべて燃料タンクになっています。設計でも、製造でも、決して不備があってはならない、極めて難易度の高い構造体なのです。
これだけ重要な主要構造体でありながら、ボーイングは主力機たる777Xと787のすべての生産をスバルに委託しています。逆に言えば、ボーイングにとってスバルは無くてはならない存在である、とも言えるでしょう。
地味だけど、実はスバルは日本の航空産業では真の勝者?
東洋一の規模を誇った昔日の中島飛行機や、MRJの開発に邁進するMHI(三菱重工)を鑑みる時、サプライヤの地位に甘んじるスバルに物足りなさを覚える方もいるかもしれません。でも、低迷する日本の航空産業の中において、スバルは「勝者」と見なせるかも知れません。
MRJは恐らく失敗に終わるでしょう。世界的には実績の無いMHIですから、試験段階で手間取るのは致命傷。MHIが協力を仰ぐボーイングは、ライバルのエンブラエルとの提携交渉を既に開始しています。その上、MHIの次のビッグプロジェクトである次期戦闘機開発は国際共同開発に舵を切るようです。日本の航空産業の盟主たるMHIは、かつてない苦境に追い込まれることでしょう。
中央翼という、派手では無いけれども信頼と実績を求められる主要構造体。スバルがその生産を一手に引き受けているのは、それだけ信頼がある証左でもあります。スバルの半田工場は、世界に稀に見る「中央翼専用工場」として、盤石の信頼と実績を築き上げています。ボーイングの777Xと787は、今後数十年に渡って生産が続くでしょう。スバルの航空宇宙カンパニーは、今後数十年に渡って安泰といえます。
自動車産業と航空産業を二本柱に据えた、スバル。30年後に生き残っているのは、実は航空産業の方かもしれません。