世界を襲う、コロナ恐慌。スバルは生き抜くことができるか。 [2020年05月10日更新]

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文責:スバルショップ三河安城 和泉店

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担当:余語

 

好況下のうちにトヨタグループ入りを完了した、スバルの好判断。

コロナ恐慌の影響は、想像以上に甚大です。各メーカーの経営陣は、急激な資金繰りの悪化に伴って、進行中のプログラムの進行状況と優先度、実現性、成功の可能性を評価し、継続か停止の選択を迫られます。少なくとも、選択と集中は必至です。MaaSやレベル4自動運転などは、10年単位で実現は先延ばしとなるでしょう。特に、巨額の設備投資を伴う長期的なプロジェクトは、白紙撤回される可能性が高いと言えます。

景気後退局面では、悪化する業績を補うため、好景気下で行った投資の速やかな回収が求められます。設備投資や開発費は「安・近・短」なプロジェクトに集中することになります。但し、それは未熟の果実を無理やり食べるようなもの。当初想定していた成果を得ることはできません。

逆に言えば、こうした逆境下で着実にプロジェクトを進められる体力を持つ者こそが、勝者となるのです。その勝者は、アフターコロナの世界で覇者となって、業界を支配するでしょう。そのためには、潤沢なキャッシュフローと盤石な受注量の確保が必須です。つまり、基礎体力強化が喫緊の課題となります。トヨタグループの大合併など、体力を整える動きが早くも始まるかも知れません。

互いのキャッシュフローが潤沢なうちに、スバルは既にトヨタグループ入りを完了しました。このタイミングは今から思えば、ベストだったと言えるでしょう。

 

幾度も襲う、新型コロナウイルスの恐怖。コロナ恐慌の底はいつになる?

新型コロナウイルスの及ぼす影響は、リーマンショックのような「喉元過ぎれば熱さを忘れる」一過性不景気に留まらないでしょう。流行の波は北半球・南半球を行ったり来たりしながら、寄せては返す波のように、数年を掛けて繰り返し人々を襲うことになるからです。

治療薬が早期に承認され、1年以内にワクチンが開発されても、その効果と安全性が確実に担保されるまで、疾病を持つ人々や高齢者はその恩恵を得ることはできません。ですから、私たちの生活が完全に元通りになるのは、5年近く先のことと考えた方が良いのかも知れません。例え、この第一波を耐えられたとしても、第二波・第三波と重ねて襲われれば、その影響は計り知れないほど甚大なものとなります。

そう、コロナ恐慌は今が底ではありません。自動車メーカーの経営状況は、来年以降も悪化していく可能性が高いのです。スバルやマツダ、スズキといった中規模メーカーは余力を使い果たし、次第に体力を失っていくことでしょう。ただ、大樹にすがろうにも、トヨタとて状況は変わりません。そして、その時は金融機関さえ力を落としています。直近の如き巨額融資の要請に応えられるか、定かではありません。

新型コロナウイルスの影響が、いつ終わるのか。それ次第で、状況は大いに変わってくることでしょう。

 

アフターコロナの世界で成功を掴むのは、どの自動車メーカーか。

コロナ恐慌下での熾烈な生存競争は、既に始まっています。そして、自動車は常に人類に不可欠な存在であり続けるのは確かです。しかし、人々が求める自動車は、時代と共に移り変わっていきます。未曾有のコロナ恐慌を生き残ることができるのは、時代の求める自動車を、人々が求める価格で提供できるメーカーだけです。

これまでスバルは、現行路線を強化する中期計画を着実に実行に移してきました。しかし、好況を前提とした現行路線は、コロナ恐慌の影響により変更を迫られるでしょう。特に、高価格帯に偏ったラインナップとグレード構成は、早晩修正されるはずです。お買い得仕様車が設定され、実質的な価格帯を下げる方策が考えられます。これは、苦戦が伝えられるマツダも同様で、スバルと共に中期的ロードマップは再考を余儀なくされるでしょう。

ダイハツ・スズキにとっては、景気減速は逆にチャンスとなります。実際、トヨタディーラーで堅調に売れているのは、RAV4ではなく、ライズの方なのです。実用一辺倒・お買い得感最優先の戦略は、コモディティ化を招きかねませんが、背に腹は代えられないのも事実です。もしかすると、ダイハツ・エッセやスズキ・Twinのトールワゴン版ような格安モデルが誕生し、一躍時代の寵児となるかも知れません。

リーマンショックは、数多のモデルの命脈を断っていきました。コロナ恐慌は、自動車産業から一体どれだけのものを奪い去っていくのでしょうか。確かに、その影響は甚大です。しかし、コロナウイルスと戦うだけでは、未来は見えてきません。果たして、我らがスバルは、コロナ恐慌を生き抜き、アフターコロナで成功を掴むことができるのでしょうか。

 

文責:スバルショップ三河安城和泉店 営業:余語

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