SK型フォレスターがマイナーチェンジ。後期型の詳細と変更内容を徹底解説。 [2021年11月12日更新]
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2色廃止で、3色追加。全10色の豊富なボディカラーラインナップ。
この他、ボディカラーが一部変更されています。カラーの差し替えとグリーン系の1色追加によって、フォレスターのボディカラーは全10色に進化。より幅広いラインナップの中から、お好みの色を探すことができます。
グリーン系は、前期型では淡いジャスパーグリーン・メタリックのみだったものが、青みが強く深く濃いグリーンのカスケードグリーン・シリカと、オリーブドラブに近い印象のオータムグリーン・メタリックの2色に進化。個性的なボディカラーがお好みの方は、要チェックでしょう。
また、セピアブロンズ・メタリックは、新たにブリリアントブロンズ・メタリックに差し替えられています。コチラは、セピアブロンズよりも少し赤みが強い印象ですが、大きな違いはなさそうです。
色選びの際に気を付けたいのは、カタログ写真に惑わされないこと。可能ならば、気になる色の試乗車を店頭で直接チェックするのがベスト。でも、そんな時間は無いし。。。という方は、検索サイトで「色名+モデル名」で画像検索してみてください。昼・夜、晴れ・曇など、様々な環境下での色の映え方もチェックすることができます。
あと、ボディカラーで気になるのは、下取り価格。もし気にするのなら、鉄板は白黒2択。確かに、赤や青など「色付き」のカラーは、厳しい評価となるのは事実です。ただ、軽自動車などは、色付きのカラーが人気があるため、差は殆どありません。また、スバルのWRブルーやマツダのソウルレッドなどブランドを象徴するカラーや、先代XVのデザートカーキのように特異な人気があるカラーもプラス評価となる場合もありますから、一概に言えるものでもありません。
もちろん、10年は乗ると決めている方は、下取り価格を気にする必要はないでしょう。ただ、5年で代替えを考える方は、やはり気にした方が良いのかも知れません。特に、価格帯が高いモデルほど、その傾向は顕著に現れますから、注意が必要です。
安全技術もしっかり進化。ドライバーモニタリングシステムを充実。
2030年死亡交通事故ゼロを目指すスバルは、アイサイトver.4への換装に留まらず、欠かさず安全性向上を目的とした改良を行っています。
今回、運転走行中にエンジンを緊急停止する場合を想定した表示モードを、メータディスプレイに追加しています。例えば、Dレンジで高速道路を通常走行中、ドライバーが急に意識を失うなどして運転継続が不可能となった場合、エンジンを緊急停止する状況が想定されます。走行中にプッシュスタートスイッチを1回押すと、メータパネル中央のMFDに「あと2回押すと エンジン停止」を表示。緊急停止プロセスを通知すると共に、ブザーを吹鳴させます。
スバルの先進的な取り組みとして知られる、ドライバーモニタリングシステム(DMS)も機能の拡張が行われています。DMSは、近赤外線LEDをドライバーに照射し、それをカメラで撮影。ドライバーの顔の向き、目の開閉度、顔の特徴を検知するものです。個人識別により個人ごとのシート・ミラー位置の自動再設定を行う他、走行中は脇見検知・居眠り検知を行い、これを認めた場合はブザーと警告表示を行います。
今回のマイナーチェンジに際し、DMSのソフトウェアを更新。閉眼検出性能を向上し、居眠り/眠気警報の精度を改善。さらに、新機能としてエアコンのジェスチャーコントロールを導入しています。走行中にDMSの検知範囲に手をかざし、1秒間静止させると、DMSがジェスチャーを認識します。「パー」の場合は、設定温度を4操作分(0.5°×4=2°)上げる。「グー」の場合、設定温度を下げます。
テレマティクスユニットを搭載するレヴォーグの場合、これと組み合わせることで、先日マツダが発表したCO-PILOTと同等の機能が実現できるでしょう。しかし、後期型フォレスターはADASのみのため、現在ではドライバーへの警告に留められています。何れにしても、今後はクルマが如何にドライバーの「意思を察する」か、が課題となるでしょう。DMSは、今後の発展が大いに期待できる機能なのは、間違いありません。
その他、細かな変更点。ヘッドライト、ウォッシャーノズル、ルーフレール、フック追加。
この他、細かな改良が成されているので、紹介して参ります。
デザインが大きく変更されたヘッドライトユニットは、ターンシグナルをLED化。また、アダプティブドライビングビームも、新たにアレイ式に変更されています。作動条件等はほぼ同様ですが、ロータリーシェードではなく、12個のLEDチップの電流値調整によって、配光を制御する方式が新たに採用されています。
また、ライティングスイッチは法規制対応のため、点灯/OFFスイッチがモーメンタリ化されています。簡単に言えば、OFFポジションに固定ができない、ということ。OFFポジションにすると、バネでビョンとAUTOに戻ります。なお、OFF位置保持時間が2秒未満の場合、ヘッド点灯、スモール、テール消灯。2秒以上の場合は、ヘッド、スモール、テールが消灯します。ただ、一定速度以上に達し、走行状態と判断された場合等は、自動でAUTO状態に復帰します。
ウォッシャーノズルは2個から3個に変更し、EyeSight用ノズルを追加。風の影響を受けにくい2点噴射式のすることで、過酷な環境下でのEyeSightの作動確保を図ります。これに伴って、ウォッシャー用ポンプの能力を向上させています。
ルーフレールには、新たにタイダウン用のロープ穴を追加。ラックに搭載した荷物の固定等に幅広く利用可能です。スバル車は、他メーカと比較して、より大きな積載量を許容します。これは、1週間単位でアウトドアを楽しむ米国市場の要求に合わせたもので、スバルの隠された魅力の一つです。様々な荷物を搭載して、その能力をフル活用してみて下さい。ただ、ルーフレール無し車では、耐荷重が半分程度まで少なくなりますので、注意が必要です。
リヤの荷室では、ルーフトリム後方にフック(耐荷重:3kg)を2個追加。利便性を向上させています。着替えを吊るしたり、濡れたものを干したり、様々な活用が考えられそうなアイテムです。
最大のライバルは、内なる敵?ソルテラは2022年年央の登場。後期型フォレスターの評価や如何に。
新型アウトバック、新型WRX S4。そして、満を持してデビューした次世代BEV・ソルテラ。スバルのフラッグシップモデルが次々に登場する最中に行われた、基幹車種フォレスターのマイナーチェンジ。そして、そこに襲いかかったパンデミックによる、生産停滞という緊急事態。後期型フォレスターは、市場稀に見る大混乱の中でデビューを迎えました。ただ、これから歩む道程も、決してラクなものとはならないでしょう。
専らCX-5のみを相手に戦っていた、先代SJ型。これに対し、現行SK型を取り巻くライバルは、一気に数を増しています。米国市場の絶対王者RAV4が凱旋。さらに、カローラ・クロスやマツダ・MX-30、プジョー・2008、VW・T-ROCなど、様々なライバルが登場。この後も、日産・ローグ、ホンダ・新SUV、マツダ・CX-50など、新たなライバルがデビューを間近に控えています。戦線はより激しさを増し、より厳しく実力を問われることになるでしょう。さらに、来年年央に登場する次世代BEV・ソルテラが、後期型フォレスターの技術的先進性と洗練性を厳しく問い質すことになります。
その中で、後期型フォレスターは市場で如何なる評価を得られるのでしょうか。2030年という時代の変革点へ向けて、一気に加速していく自動車技術。私たちは、激変の潮流の真っ只中に立ってます。その大波を目前に登場した基幹車種フォレスターの評価。それは、スバルの今後の有り様を大きく左右するものとなるでしょう。
さて、皆さんはソルテラを待ちますか?それとも、後期型フォレスターを選びますか?