アウトバックにスパイスを。〜STIフレキシブルドロータワーバー〜 [2016年06月24日更新]
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STIフレキシブルドロータワーバーの実力とは。
スバルのフラッグシップモデル、アウトバック。北米では月間10,000台を販売する大ヒットモデルであり、国内でも徐々にその数を増やしつつあります。ちなみに、当方和泉店のベストヒットモデルでもあります。
そんなアウトバックに、スパイスをプラスするのがSTIフレキシブルドロータワーバー。今回は、ご購入のお客様に同乗試乗をご快諾頂きましたので、その際のインプレッションをお届けしたいと想います。
フレキシブルドロータワーバーとは、何か。
ストラットタワーバーは、フロントサスペンションのダンパー取付点を左右で剛結することで、横力による変形を抑制するためのものです。ボンネットを開けて頂くと分かる通り、左右にフロントサスペンションを取付けるサイドフレームがあるだけで、エンジン回りはガッポリと大きな空間になっています。意外なほど、フロントは貧弱な構造なのです。
クルマがコーナリングを開始すると、アウト側のフロントタイヤからサスペンションを経由してサイドフレームに横力が加わります。この時、前方に長く突き出したサイドフレームが、横力によって「しなり」始めます。この「しなり」と横力が釣り合ったところから車体に横力が伝達され、そこで初めてクルマが旋回を開始します。つまり、「しなり」が大きいと旋回が遅れるのです。タワーバーは、このしなりを抑制して、ステアリングレスポンスを向上させます。
一方、クルマが路面の凹凸を踏んだ時は、ダンパー取付点に入力が集中します。タイヤからの上下入力はダンパーを介して、取付点を下から突き上げます。この時、左右を剛結していると、上下入力がまともに車体に伝わってしまいますから、ここには逆に「しなり」が求められます。フレキシブルドロータワーバーは、持ち前のフレキシブル機構で「しなり」を許容。左右剛性を確保しつつ、上下の「しなり」を実現します。ここまでが、フレキシブルタワーバーの機能です。
今回紹介する、フレキシブルドロータワーバーはこれに加えて、もう一つ機能が追加されています。タワーバーに引張方向にテンションを掛けてあるのです。これによって、たわみがキュッと解消されるので「しなり」が抑制されます。より、ステアリングレスポンスが向上するのです。
柔らかというより嫋(たお)やかなノーマルの乗り心地。
スタブレックスライドを標準装備するアウトバック「Limited」。強いフラットライド感が特徴です。高速域での強めのアンジュレーションでも底づき感はまったく微塵も感じさせず、懐の深く優しい乗り心地が好評です。高架のジョイントも、ドンッではなく、スタッと穏やかにこなします。コーナリングでは、持ち前の低重心レイアウトの恩恵でロールそのものは小さめ。そのロールモーションも実に滑らかかつ柔らかで、ソフトな乗り味というより「嫋やか」な乗り味との表現が適確でしょう。
北米大陸の原野の中、スーッと何処までもまっすぐに走り抜けていくそんなシチュエーションが想像にピッタリのフィーリングです。
アウトバックにスパイスを。
さて、そんなアウトバックにフレキシブルドロータワーバーをプラスすると、どんな化学変化が起こるのでしょうか。その嫋やかさが失われて、ギコチないものに変わってしまうのでしょうか。 さっそく、走りだしてみましょう。直進状態では言われないと装着に気がつかない程、その変化は小さなものです。それでも注意深くみていくと、直進性が幾分高まったように感じられます。乗り心地には変化は見られません。
大きな変化が見られたのは、やはりステアリングを切った時。コーナリングフォースの立ち上がりが劇的に早まっています。スルスルッと穏やかな「旋回」から、スススッと「コーナリング」へ進化したというのが、適切でしょうか。
タワーバー非装着では、コーナー手前で充分減速を終えてブレーキをオフにした後に、旋回に移っていました。これを、ブレーキを残しつつ旋回に移っていけるようなイメージです。コーナリングに連続感が生まれ、ダイレクト感が増しています。そのうえ、交差点への進入では旋回の立ち上がりが早い分、明らかに舵角が少なくて済みます。
買うべきか、そうでもないか。
アウトバックというモデルの性格上、必ずしも必須というパーツではないかも知れません。むしろ、B4の方がその正確に見合っているのかもしれません。しかし、効果は劇的です。走りは見違えるほど鮮明になり、コーナリングが待ち遠しい程です。
これぞ、STI。コンフォート性を失うこと無く、スバルにスパイスを加える。もし、ご自身のアウトバックにもう少しの刺激が欲しいのなら、今スグ装着するべきです。ぜひ、ご検討下さい。