BTCC Rd.10「ブランズ・ハッチ」レヴォーグが2連勝!!タイトル争いは白熱。 [2016年10月09日更新]
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BTCC第8ラウンド。ロッキンガムでスバル勢は苦戦。
スバル「レヴォーグ」という新しいチャレンジャーを迎え、4月3日の開幕以来数限りない激戦を繰り広げてきた2016年シーズンのBTCC。いよいよ、10月2日ブランズ・ハッチにてファイナルラウンドを迎えます。ここまで、12人の勝者を数える激闘もいよいよ最終章です。
シェイクダウンが事前テストに間に合わず、ブッツケ本番となったスバル勢。第3ラウンドを欠場するなど、前半戦は苦しい闘いとなりました。そのパフォーマンスは、復帰後の第4ラウンドで急上昇。一気にトップコンテンダーに躍り出ると、第8ラウンド以外全てで優勝を遂げています。さて、2016BTCC最終章。如何なる闘いが繰り広げられるのでしょう。
第28戦:ターキントンがPPから優勝を飾る。
予選PPは、2位以下に0.2秒の差を付けた4号車コリン・ターキントンが獲得!3番手グリッドは99号車ジェイソン・プレイトが獲得しています。ここまでランキングトップのBMW600号車サム・トルドフは10番手、11pt差で2位につけるホンダ52号車ゴードン・シェドンは7番手。一方、13pt差で3位のホンダ25号車マット・ニールは11位、BMW100号車のマット・ニールは12番手と苦しい位置からのスタート。終盤戦好調のMGは、66号車のジョッシュ・クックが5番手を獲得しています。
第28戦スタート。ターキントンはトップをキープ。このラウンドに賭けるシェドンは並々ならぬ気迫で、前方のメルセデスを追っていきます。一方のニールはコラードに仕掛けていくが、54号車のシボレーにヒット。77号車フォードのジョーダンは、たまらずスピンしたシボレーにクラッシュし、セーフティーカー登場。4周目、リスタート。シェドンはモーガンをパスして5位に浮上するも、好調のトップ4台とは逆に差を広げられてしまいます。対するトルドフはまったくペースが上がらず、チームメイトの31号車ゴフにポジションを譲られての9位を走行中。
ターキントンはそのままチェッカー、今季4勝目。プレイトは2位を狙うも失敗。逆に最終ラップの最終コーナーでクックにインを狙われて、4位でゴール。ニールは5番手争いに追いつくも、ここで終了。5位はシェドン、6位にモーガン、7位にニール。トルドフはまったく振るわず10位に沈み、コラードは12位。今季強さを見せ続けてきたBMW勢はここに来て一気に厳しい情勢。残り2レースに掛けます。
第29戦:スバル勢が圧勝。1-2フィニッシュを飾る。
ブランズ・ハッチ、絶好調はスバル勢。シェドンはこの日、まぁまぁ好調。これに対し、BMWは劣勢が濃厚。タイトル争いの行方は如何に?
第29戦スタート。ターキントンはトップ、シェドンは5位をキープして1コーナー。トルドフは3つ順位を上げて7位を走行。6位のニールに迫ります。2台は、メルセデスの2台をパスして、さらに上位を目指す。3位のプレイトは、2位のトヨタを抜きあぐねている間に3位以降の接近を許してしまいます。ところが、ニールがスローダウン!ここに、116号車のMGがヒット!!ニールは激しくスピン。ニールを救出するため、セーフティーカーが導入されます。
リスタート、クックのインにシェドンは飛び込んで4位を奪取。クロスラインを伺うクックにトルドフが押し出されてグリーンへ!危うくコントロールを失いそうになるも、何とか踏ん張ります。8周目、プレイトがやっとトヨタをパスすると、シェドンもこれに続きます。スバルは鉄壁の1-2体制。トルドフはクックに何回か仕掛けるも、抜くには至らず。
レースも終盤戦。ターキントンのペースが徐々に落ちてきます。お陰で全車が数珠繋ぎの大混戦!たまらず、プレイトがターキントンに激しくチャージ。2台のスバルは、バンパーtoバンパーの激しい攻防線を演じます。そこに、割り込んだのがシェドン。さらなるポイント獲得を目指して、プレイトにチャージ。プレイトが防戦を強いられるのを尻目に、ターキントンは一気にスパート。そして、トップチェッカー。ターキントンは混戦のなか2連勝を果たします。スバルは、1-2フィニッシュ。3位にシェドン。トルドフは、何とか6位に食い込みます。
第30戦:最終戦は不調。タイトルは大逆転でシェドンが獲得。
シーズン最終戦、優勝はリバースグリッドで抜群の強さを発揮するフォード7号車のマット・ジャクソン。2位はメルセデス16号車のモファット。そして、シェドンは見事表彰台の一角を獲得。これに対し、トルドフが5位に留まったためにギリギリ2pt差でシェドンが逆転タイトルを獲得!!スバル勢は、最終戦では一転して不調。プレイトが10位に入ったものの、ターキントンは12位に沈みました。この最終戦の結果が響いて、ターキントンはマット・ジャクソンに交わされて4位に。プレイトは、シーズンを7位で終えました。
TeamBMRがたった100日で造り上げたレヴォーグ。ツーリングワゴンという、歴史上一度も成功したことのないそのパッケージでありながら、シーズン中盤戦から本領を発揮。並み居る競合を抑えて初優勝を遂げると、一気に躍進。爽やかなブルーに彩られた2台のレヴォーグは鮮やかに中盤戦を席巻しました。終盤戦では若干劣勢を強いられたものの、最終的にはホンダに15pt差に肉薄するなど大健闘のシーズンとなりました。
スバルがムリと言ったFA20DITのレース仕様が、なぜか大成功。
レヴォーグが搭載する、スバル史上初のレーシング仕様の直噴ターボエンジン。スバル本社が設計上レーシングチューンはムリと言い切った新世代ボクサーFA20DITは、遥かイギリスの地で仕立て直されてポテンシャルを発揮しました。今、時代は完全に直噴ターボに移行しています。燃料冷却を積極的に活用して充填効率を高め、可変ジオメトリーターボで高圧過給。遥かに高い熱効率で、効率よくパワーを引き出します。スバルは現在、こうした新世代レーシングターボをサーキットに持ち込んでいません。今あるのは、古めかしい時代遅れのEJ20のみ。しかも、それはWRC時代に開発史たものをリファイしただけのもの。これでは、いつしか時代から取り残されてしまいます。今後のスバルの活動に要注目です。