WRX STIが、セダン最速6分57秒5をマーク!! [2017年07月25日更新]
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マン島を爆走したProdrive製のWRX。今度は、ニュルを走る!
以前、希望で書いたことが現実となってしまうようです。
2016年4月15日にマン島TTで打ち立てられた四輪のラップレコード、17分35秒。平均速度207kmという脅威のスピードで駆け抜けたのが、SUBARU of America(以下、SOA)がProdriveに製作を依頼したWRX STIのアタックカーでした。このアタックカーが、新たに「Subaru WRX STI Type RA NBR Special」と名付けられて、ニュルブルクリンク北コースでタイムアタックを実施するようです。この究極のWRX、どれだけのタイムを叩き出すのでしょうか。
どうやら、このチャレンジは「type RA」なるWRX STIの限定モデルのプロモーションを兼ねているようで、そのモデルは6月8日に発表されるようです。オフィシャルフォトを見る限り、ルーフにはCFRPが用いられるようです。
間違いなく、マン島アタックカーのアップデート版。
プレスリリースを見る限り、何処にも両車の共通性は書かれていません。また、マン島TTアタック時にあった「Prodrive」のステッカーも、見当たりません。
しかし、ボディカラーを別とすれば、双方はまったく同一のクルマのように見えます。いくら絶好調のSOAとは言え、たった1回でこのマシンをお蔵入りにするのは、さすがに勿体無い。そこで、考えられたのが今回のチャレンジだったのでしょう。
映像を見る限りでは大きな変更は無いようで、リヤウィングのDRSも存置されています。ところが、細部はターマック仕様からサーキット仕様に改められており、特に目立つのが巨大なリヤディフューザーです。ところで、この取ってつけたようディフューザー、見覚えのある方はいるでしょうか。これは間違いなく、Aston Martin Vantade GTE用のそれです。写真を較べて頂ければ、お分かりになるでしょう。サーキット用により多く必要なダウンフォースを獲得するために、増設されたものに間違いありません。
Aston Martin Racing、実はProdriveそのものなのです。Prodriveが、停滞するスバルのWRC活動と入れ替わるように始めたのが、Aston Martin Racingの活動でした。今回のニュルブルクリンク挑戦にProdriveが関与しているのは、間違いないようです。
映像をくまなく見ていくと、様々なことが分かってきます。メカニックは全員Prodriveのロゴ入りユニフォームを着ており、ドライバーはWECで#95のVantageをドライブするRICHIE STANAWAYが務めているようです。シルバーストーンのテスト時には、STIのスタッフと思しき姿もあります。一方で、製作時の姿が一切ないのも、このチャレンジ用にのみ新たに制作されたのでは無いことを示しています。
SOAのニュル挑戦は、スバル本社に対する「あてつけ」か。
残り2時間でエンジンベイから出火してリタイヤに終わった、ニュルブルクリンク24時間がつい先日。その記憶が未だ鮮明な、今日。SOAが、ニュル挑戦の発表にこの時期を選んだことに、どんな意味があるのでしょうか。
小生には、殆ど「あてつけ」にしか見えません。ニュル24時間参戦車両とProdrive製WRX、どちらが派手な映像になるかは火を見るより明らかです。もし、ニュルで6分台をマークしたら、間違いなくこのマシンは伝説となります。SOAは、4ドア車のラップレコードを狙っているようですが、そのレコードは長らく破られることはないでしょう。
第1回目のアタックは、5月19日実施されました。つまり、ニュル24時間レースの直前。雨に祟られて失敗に終わりましたが、アタックが成功していたら・・・。SOAの狙いを想像すると、空恐ろしいものがあります。
SOAが、スバル本社のモータースポーツに対する姿勢に不満があるのは、間違いないでしょう。SOAは、スバルに対してもっと刺激を求めているのです。その究極が、3月のボブスレーコースの爆走映像でした。ボコボコぶつけながら、ボロボロのWRXが疾走する様は完全にクレイジー。でも、これくらいの刺激をSOAが求めているという証左でもあります。でも、この映像にコリン・マクレーを想起した方もいるでしょう。
そもそも、WRC挑戦こそクレイジーだったのです。誰だって、スバルがトヨタやフォードに勝てるとは思うはずはありません。しかし、それを成し遂げ、そこでスバルは名声を勝ち得たのです。その奇跡が人々に感動と驚きを与え、数知れないスバルファンを世界中に生み出したのです。
スバルの利益のほぼ全てを稼ぎ出す、SOA。好調を維持するためには、もっともっと刺激的なイメージ戦略が必須。そう、考えているのでしょう。
お行儀が良すぎる、昨今のスバル、STI。
今年のニュルブルクリンク24時間の総合優勝争いは、昨年に続いて大変刺激的でした。一方、スバルは手堅くラップを重ねたものの、残り2時間で出火。リタイヤとなりました。イタズラにスピードを追わず、堅実に24時間を組み立てて行く様は、実に「今のスバルらしい」ものでした。国際映像にはほとんど映らなかったので、海外の人々はリタイヤするまでスバルの存在に気が付かなかったでしょう。言ってしまえば、パッとしない・・・。
小生がスバル好きになったのは、間違いなく「WRC」です。マクレーがボコボコにした痛々しい姿で、鮮やかにトップタイムを叩き出すインプレッサ。そして、あのサウンド・・・!スバルって、スゲー!中学生だった小生の脳裏に、その姿は強烈に刻まれたのです。
この記事をご覧の皆さんも、おそらく同じ記憶をお持ちでしょう。
熱い世界中のスバルファンたちは、スバルの無謀なチャレンジを待ち望んでいます。あの感動よ、再び。その願いを叶えてくれそうなのは、スバルでもなく、STIでもなく、どうやらSOAのようです。
STI、本格的海外進出第2弾は、2連発!!
先の発表に予告があったように、北米マーケットに向けて2種類のSTIコンプリートカーがデビューします。中期経営計画「際立とう2020」で明記されたように、スバルはSTIブランドを積極活用を考えています。カタログモデル「STI Sport」は国内市場における活性化策であり、STIの本格的海外進出もまたSTIブランドの活用策のひとつです。
現在のプレミアムブランドは、ワークスチューニンの積極展開によって、高性能・高品質というメーカーイメージの向上を積極推進しています。20年前のインプレッサを思い浮かべてください。同クラスのカローラやサニーよりは、高性能っぽく見えたはずです。それは、WRXのイメージがバックグラウンドにあったからです。スバルは、その再来を狙っているのです。
北米市場では、ホットなSubie達が手ぐすね引いてSTIの上陸を待っています。2つのコンプリートカーは、瞬く間に完売御礼となるでしょう。
SUBARU of America(SOA)期待のSTIコンプリートカー「WRX STI TYPE RA」
WRX STI TYPE RAが搭載するのは、EJ25初のSTIチューニングエンジン。強化型ピストン、改良されたインテークとエキゾースト、そして専用マッピングのECUにより、ノーマル比5psアップの314psを絞り出します。2500ccの排気量から考えれば350ps級も可能かと思われますが、EJ25ではこの辺りが限界なのでしょうか。
サスペンションは新たに仕立て直されており、専用のビルシュタイン製ダンパーとスプリングを装備しています。後期型STIのプロモーションムービーでも分かるように、SOAはド派手なアクションが大好き。このTYPE RAが、これを許容する「サイドウェイ」仕立てになっているのでしょうか。気になる所です。
エクステリアで目につくのが、2つのCFRP製パーツ。ルーフパネルの軽量化により、重心高低下に注意が払われています。また、リヤウイングはおなじみのドライカーボン。タダモノではない雰囲気をたっぷり漂わせています。
【WRX STI TYPE RA (米国仕様)の主要装備】
■メカニズム
・専用ECU
・強化型ピストン
・専用吸気ダクト&エアクリーナー
・専用パフォーマンスマフラー&エキゾーストパイプ
・BBS軽量19インチ鍛造アルミホイール(ゴールド)
・専用ビルシュタインダンパー&コイルスプリング
・Bremboフロント・モノブロック対向6ポットブレーキキャリパー(シルバー塗装)&ドリルドディスクローター
・Bremboリヤ・モノブロック対向2ポットブレーキキャリパー(シルバー塗装)&ドリルドディスクローター
■エクステリア
・専用フロントグリル(チェリーレッドアクセント付)
・専用フロントアンダースポイラー
・STIエンブレム付サイドガーニッシュ(ブラック)
・ドライカーボンルーフ
・ドライカーボンリヤスポイラー
・専用リヤバンパー(チェリーレッドアクセント、エアアウトレットグリル付)
・TYPE RAリヤオーナメント
・ドアミラー(ブラック)
・シャークフィンアンテナ(ブラック)
■インテリア
・専用ステアリングホイール(ウルトラスエード)
・RECAROバケットタイプフロントシート(STIロゴ型押し)
・プッシュエンジンスタートスイッチ(レッド)
・専用シリアルナンバープレート
米国仕様のtSが初登場「SUBARU BRZ tS」。
海外のスクープサイトでその姿が確認されていた、BRZの追加モデル。日本国内にはオートサロンで発表されたSTI Sportが投入されると思われたため、そのテストカーが何を目的としていたかは不明でした。しかし今回、それが北米向けのtSであったことが確認されたことになります。
BRZ tS 2015からの最大の変更点は、ダンパー。後期型から最上級グレードのGTに追加されたSACHSが、採用されているのです。それでも「専用」とあるので、サスペンションは仕立て直されているのでしょう。その仕上がりは、如何なのでしょうか。
【SUBARU BRZ tS (米国仕様)の主要装備】
■メカニズム
・フレキシブルV型バー(エンジンコンパートメント)
・フレキシブルドロースティフナー(フロントサスペンション)
・軽量18インチ鋳造アルミホイール(ブラック)
・専用215/40R18ハイパフォーマンスタイヤ(ミシュランパイロットスポーツ4タイヤ)
・専用SACHS(ザックス)ダンパー&コイルスプリング
・Bremboフロント対向4ポットブレーキキャリパー(レッド塗装)
・Bremboリヤ対向2ポットブレーキキャリパー(レッド塗装)
■エクステリア
・専用フロントバンパー(チェリーレッドアクセント、専用メッシュカバー(フロントフォグランプ取付部)付)
・専用フロントアンダースポイラー
・ドアミラースカルキャップ(ブラック)
・専用サイドアンダースポイラー
・専用リヤサイドアンダースポイラー
・専用リヤバンパー(チェリーレッドアクセント付)
・ドライカーボンリヤスポイラー
・tSフロント/リヤオーナメント
・専用SUBARU BRZリヤオーナメント(ブラック)
・シャークフィンアンテナ(ブラック)
■インテリア
・専用ステアリングホイール(ブラック+レッド、レッドステッチ)
・専用スピードメーター(STI ロゴ付)
・専用アルカンターラ/本革フロントシート(ブラック+レッド、tS ロゴ付)
・専用シートベルト(レッド)
・専用ドアグリップ(レッド)
・プッシュエンジンスタートスイッチ(レッド)