遂に純正採用された、オールシーズンタイヤ。そもそも、タイヤって何が良いの? [2019年02月13日更新]
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新型フォレスター X-BREAKで純正採用。オールシーズンタイヤは、有りか、無しか。
路面状態 | オールシーズンタイヤ (EUROWINTER HS449) | スタッドレスタイヤ | 夏タイヤ |
凍結路面 | △ | ◎ | ☓ |
圧雪路面 | ◯ | ◎ | ☓ |
シャーベット路面 | ◯ | ◎ | ☓ |
高速道路冬用タイヤ規制 | 通行可 | 通行可 | チェーン装着 |
全車両チェーン装着規制 | チェーン装着 | チェーン装着 | チェーン装着 |
ドライ路面 | ◯ | △ | ◎ |
ウェット路面 | ◯ | △ | ◎ |
※スバル・カートピア2019年2月号より(住友ゴム工業調べ)
これまで日本国内では「禁断のタイヤ」であった、オールシーズンタイヤ。スタッドレスタイヤよりも、サマータイヤに近いトレッドパターンを持ち、圧雪路ならば十分機能を果たすだけの走破性を有しています。
何で「禁断」だったのか。それは、タイヤの販売本数に大いに打撃を受けるからです。冬タイヤへの「交換+預かり」は、タイヤ屋さんにとって大きな収入源です。契約がある限り、長期的な収入が見込めるのですから、先のわからない自動車整備業にとっては、有り難い収入源なのです。
ところが、スバルは新型フォレスターのX-BREAKにオールシーズンタイヤを純正採用。遂に、禁断のタイヤに手を出してしまったのです。
欧米では、むしろオールシーズンが標準。但し、日本特有の豪雪には対応不可。
小生が初めてオールシーズンタイヤに出会ったのは、2月のミネソタでした。レンタカーに用意されたのは、クライスラー200。驚いたのは、タイヤが「サマータイヤ」だったこと。この地域、冬は極寒。。。-30度なんて珍しくない、厳しい環境。翌日起きてみると、辺りは一面の雪景色。でも、タイヤが。。。
先輩に相談すると、大丈夫。オールシーズンだから。と笑いながら諭されてしまったのです。でも、依然として半信半疑。実際に走り出してみると、確かに滑らない。結構、グイグイやっても滑らないのです。これには驚いてしまいました。
もちろん、オールシーズンタイヤは全知全能ではありません。極端な降雪量の時や、気温が上がって溶け出していたり、アイスバーンのような状況下では、スタッドレスタイヤには劣ります。
でも、最大のメリットは「夏も使える」こと。冬が来た!なんて慌てて履き替える必要なんて無いのです。特に、私たちのお店がある西三河南部は温暖な気候の地域なので、まさしく打って付け。これは、イイ!というアイテムです。
何が良いか、悪いか、それも分からない。それが、タイヤ選びの難しさ。
タイヤって、どれほど大事なのでしょうか。もちろん、クルマが唯一路面と接する部品ですから、何にも増して重要なのは間違いありません。でも、タイヤの値段はピンキリ。
何だか分からんけど、安いのは嫌だし。。。お店が勧められるがママに買ってしまった。そんな苦い経験はありませんか?
タイヤもオイルと同じです。ちゃんと名の知れたメーカーであれば、基本的には間違いありません。それよりも、交換せずに無理に使い続ける方が、よっぽど危険です。
日本にはブリヂストン、ダンロップ(住友ゴム)、ヨコハマ、ファルケン、トーヨーの5メーカーがあります。この5メーカーの製品であれば、よっぽど間違いありません。加えて、ミシュラン、コンチネンタル、グッドイヤー、クムホ、ハンコック。。この辺りなら、間違いないでしょう。もし分からなければ、国産タイヤから予算に応じて購入するのが一番です。
もちろん、メーカーごと、製品ごとに違いはあります。でも、違いが分からないんです。というか、分かりようがない、それがタイヤ選びの問題なのです。
唯一、特性評価をシミュレーション上で行えない部品。それが、タイヤ。
インプレッサの開発に際して制作された、サスペンション評価用試験装置。タイヤの細かい特性はシミュレートできないので、
このように実際に測定するしかない。ただ、この試験評価にも少々問題がある。車体を剛体とみなして測定しているからだ。
タイヤは、数多ある自動車部品の中で、もっとも「いい加減」な部品です。何しろ、未だにモデリングが不可能。そう、シミュレーションができない部品なのです。自動車メーカーが「走り込み」と称して、グルグルとテストコースで走行試験を行うのは、そのためです。
タイヤが地面に接することで、起きる現象。それ自体が、よく解明できていないのです。そもそも、「摩擦」という現象自体がよく解明されていません。鉛直方向に力を与えると、水平方向に力が作用する。この事自体、おかしなことなのですから。。
最近、ブリヂストンがこの現象を解明すべく、大掛かりな試験装置「アルティメットアイ」を導入しました。そう、やっとこれから解明しよう、という段階でしか無いのです。ただ、実際に起きている現象と実際に相関が取れるかどうか、それは未だ分かりません。
F1でさえ、シミュレーション上での特性評価ができていない。タイヤという難題。
現在の技術では、サスペンションまではかなりの精度でシミュレーション上での特性評価が可能です。しかし、そこにタイヤが付くと、もうダメ。。。特性を予測できないのです。ですから、実際に走行テストを重ねるしかありません。
年間予算1000億円とも言われるF1でさえ、それは同じ。タイヤから100%の性能を引き出すのは、並大抵のことではありません。彼らも限られた時間の中で必死に特性評価を行い、何とかマージンを得ようと努力をしています。それでも、差が生まれてしまいます。
2000年代、F1でブリヂストンとミシュランが鎬を削っていた時代。各チームは、毎度数百本のタイヤをテストしていました。走り始めの温度の上がり具合、加速・コーナリング・ブレーキング時のグリップレベル、摩耗の進捗とグリップレベルその他の特性との相関、バンプでの減衰特性等々。。。他の部品では、こんなムダな作業は有り得ません。なぜなら、シミュレーション上で高精度で特性評価ができるからです。
フラットな視点でタイヤの性能評価を行うのは不可能に近い。
そう、その原因はすべて「シミュレーターで特性評価ができない」この1点に絞られます。
小生は昔こんな経験をしたことがありました。レーシングカートをかじっていた時の話です。ある高速コースに走りに行った時、セオリー通りに空気圧は1.0に設定していました。すると、1.5くらいまで上げると、ストレートで凄く伸びるからタイムが早くなる、と言われたのです。
空気圧なんて、0.1単位でイジるもの。1.5なんて空気圧は、完全にセオリー外。でも、、、半信半疑で1.5にしてみると、コーナーでの滑り出しも良いし、ストレートも伸びる。しかも、タイムもグッと縮まったのです。タイヤって、随分といい加減なものだなぁ。と思ったのを覚えています。
そもそも、タイヤは自動車のカタログデータのように、全世界共通のスペック表自体が存在していません。荷重や速度の規格はありますが、これで特性を推し量るのも不可能です。また、国内では性能の簡単なレベル表示がされているものの、それもメーカーの自社評価によるもの。つまり、フラットな視点で性能評価をすることはできないのです。
空気圧、摩耗、温度、様々な要因でタイヤの特性はガラリと変わる。
乗用車のタイヤ選びをする際、車選びのように、すべての種類を試乗して試すことはできません。でも、乗ってみなければ、分からない。。。
しかも、タイヤの特性は摩耗していけば、特性はドンドン変わっていきます。空気圧を少し変えただけでも、特性はガラリと変わります。もちろん、前後の空気圧バランスだけでも。もちろん、クルマが違ったり、路面温度や気温が違えば、発揮する特性は全く違ってきます。
もし、タイヤを完全に評価しようと思えば、同じ気温、同じ路面温度、同じクルマ(同じ、ヤレ具合)、同じ走行ルートで、同じ走行パターンでテストせねばなりません。
現代のタイヤは、その特性差はほんの微々たるものです。これを理解して評価するのは、並大抵のことではありません。だからこそ、評価を行うには本当に厳密でなければならないのです。特に、プラシーボ効果には注意が必要です。