ほんの少しだけ改良したBRZ、H型に進化。本当に少しだけ。。。 [2019年04月23日更新]
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ほんの少しだけ改良したBRZ、H型に進化。本当に少しだけ。。。
スバルは2019年4月9日、H型となるBRZを発表しました。H型ですから、かれこれ8年目。昨年のG型も小改良でしたから、所謂「嵐の前の静けさ」なのかも知れません。
商品面では、新色マグネタイトグレー・メタリックの採用が唯一。代わりに、ダークグレーメタリックが廃止となり、全7色のラインナップとなっています。
また、「内部突起法規」対応のため、パーキングブレーキレバーにインナーカバーを追加した他、ナビのブランクパネルが全車標準装備となるようです。
結局の所、次期BRZはどうなるのか。
次期BRZに関しては、様々な憶測がなされています。ただ、エンジンが2.4L化され、スキンチェンジが行われる、というのは各メディアに共通した見方です。一部では、国内販売中止やら、ターボ4WD化なんていうトンデモ情報もあるようです。
今のスバルは販売台数に重きを置いて判断をする傾向があります。フォレスターでターボモデルが廃止されたのも、販売台数が理由だったようです。となると、国内では月販100台に満たないBRZですから、モデル継続自体が議論になる可能性はあります。コストを要する大規模変更はあり得ず、2.4L化とスキンチェンジが現実的でしょう。
86/BRZが抱える最大の問題は、出力不足。北米大陸には殆ど峠道など無いので、彼ら求めるのは刺激的なダッシュ力。200ps級のパワーユニットでは、完全に約不足なのです。そこで検討されているのが、エンジンの2.4L化です。確かに、ちょっと刺激が足りない!?と思う時はあるので、+400ccの余裕は、BRZの走りにスパイスを加えるのは間違いありません。
スポーツドライビンにパワーは無用??ピュアスポーツカーとは何か。
クルマはパワーが増えるほど、扱うのが難しくなります。ピュアスポーツカーとは、ドライビングをスポーツするための道具です。ですから、常に「運転手>クルマ」でなければなりません。
伝統的なイギリス発祥のピュアスポーツは、エンジンは100psソコソコ。その分、車体はすこぶる軽量で、研ぎ澄まされたようなハンドリングを持ち、それを技巧を尽くしてクルマと対話しつつ走るのが「作法」でした。
そう、ドライビングを極める上で、パワーは邪魔なのです。そうした意味で、マツダ・ロードスターやロータス・セブンはピュアスポーツの究極の存在です。
トヨタとスバルは、250ps級とすることも可能でしたが、それはしませんでした。ピュアスポーツで無くなってしまうからです。常にシャシーが勝る、マシンバランス。これが、このクルマのキモなのです。どんどん踏んでいっても、怖くない。思う存分、心の底から楽しめる。それが、このクルマの目指した境地です。
そう考えれば、2.4L化は功罪相半ば。。。その余裕が、ピュアスポーツの愉しさをスポイルする可能性はゼロではありません。
モータースポーツに及ぼすマイナスの影響とは?
トヨタの在独子会社TMGが製作する86のレース仕様車は、世界中のレースやラリーでプライベータに愛されています。また、ナンバー付き車両が参加できる86/BRZレースは、国内で大変な盛り上がりを見せています。トヨタが最も気にするのは、排気量変更が及ぼすモータースポーツへの影響でしょう。
パワーが違う新型は旧型と混走できませんし、階級が上がって勝てなくなる可能性もあります。何れは新型へのスイッチを迫られますから、エントラントに多大な負担を強いることになります。折角、プライベータとの間に築き上げてきた信頼関係が崩れてしまうのです。
86にはモータースポーツを身近にしたい、という強い願いが込められています。これに逆行する変更は、如何なる理由があろうともトヨタに歓迎されることはないでしょう。何よりも、GAZOOの取り組みは豊田章男氏の信念そのものですから、ここに及ぼす影響については詳しく注視していく必要があるでしょう。




