XV改め、クロストレック登場!進化のポイント魅力。 [2022年10月10日更新]
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CROSSOVER+TREKING。新型クロストレック登場。
2022年9月15日、近年のスバルでは珍しく、日本でのワールドプレミアとなった新型クロストレック。その魅力について、詳しくお伝えしたいと思います。ちなみに、現状は価格とグレード構成は非公開。試乗会もまだ先の話。ということで、今回は限られた情報の中から、出来る限り詳しくお伝えしたいと思います。
最初に触れねばならないのは、モデル名。今回装いも新たに、新名称へ変更されました。このクロストレック[CROSSTREK]は、従来はXVの米国名称。よりSUVらしいとの理由で、名称の世界統一が成されたのです。CROSSTREKとは、CROSSOVER+TREKINGの造語。CROSS-COUNTRY+CLIMBINGではないことからも、本格SUVより軽めでカジュアルなイメージを重視していることが分かります。
CROSSOVERとは、クルマのジャンルの一つ。90年代前半にスバルが開拓したマーケットで、その嚆矢となったのが初代アウトバック。乗用車の走行安定性と快適性を、本格SUVの走破性とタフさと最大限にバランスさせたものでした。もちろん、それは表向きの理由。限られた経営資源の中で、ツーリングワゴン市場が死滅した米国市場で一矢報いるべく、少ない投資でSUV市場に打って出るべく編み出した、窮余の策でした。ところが、これが徐々に市場の理解を得て成長を遂げると、スバルの代名詞ともなったのです。
XVの略歴。コンパクトSUV市場で苦戦した3代目GT系。
XVは、インプレッサベースのクロスオーバー。初代は2010年に発売した、1.5L・FFベースの架装モデル。SUV風味の加飾パネルで演出した大人しいモデルでした。ところが、2012年に本家のフルモデルチェンジを機会に、本格モデルへ移行。最低地上高を200mmリフトアップ。専用デザインとすることで、一躍メインモデルとなって人気を博します。
2017年、SGPを得て3代目へ全面進化。ところが、2匹目のドジョウとはなれません。。。その理由が、コンパクトSUV市場の充実。2代目登場時点では、ヴェゼルやC-HRは登場前。市場はほぼ独占状態。ここにアイサイトの魅力が加わって、堅調な販売を維持していました。ところが、2017年には市場は既に群雄割拠、雨後の筍状態。しかも、ライバルの全てがSUV専用ボディとあって、クロスオーバーのXVは中途半端になってしまったのです。SUVの魅力は、広々とした室内空間に掴みやすい車両感覚。加えて、ライバルは良好な燃費も武器。そこへ行くと、XVは如何にも中途半端。そもそも、中途半端なのが魅力なのですが・・・、市場動向と乖離してしまったのは間違いありません。
ただ国内市場のコンパクトSUVはお手軽モデルの域。サブコンパクトをベースに専用ボディを載せ、たっぷりアレコレ詰め込みました的な、マーケティング要素全開のパッケージ。要は、市場要求をそのまま詰め込んだに過ぎません。そのため、オフロードはご法度。それに、ディメンションの割に室内が狭い。。。それもそのはず、骨格はサブコンパクトそのままなのですから。
そこへ行くと、XVは確かに中途半端ですが、乗用車を凌駕する走行性能に、本格SUV並みの走破性を付与した全方位モデル。ベースが、本格ハッチバックのインプレッサとあって、室内面積もたっぷり。ただ、どうにも決め手に欠けたまま、4代目に道を譲ることになります。
SUVらしさに溢れ、精悍さを増した迫力のエクステリア。
新型クロストレックを一見して驚くのは、精悍さを増した迫力のエクステリア。XVらしさを継承しつつ、SUVらしいギア感とタフ感の強いデザインへと見事に進化。従来のパッケージを維持しつつ、大胆に変身を遂げています。
ヘッドランプユニットは、シャープな薄型形状へ進化。アイラインは内側へ連続し、フロントグリル内のバーと直結。スバルの最新スタイル「繋がり眉毛」を導入。中央に鎮座するフロントグリルは、メッシュを大胆に大型化。これを左右から咥え込むように、牙のような大型プロテクタを配置。迫力とタフさを演出しつつも、シャープなフロントエンドを構成しています。
サイドのグラフィックは、伝統を維持。一緒やん、、、そんな声が聞こえそうですが、これこそスバルのこだわり。視界なくして安全なし。可能な限り最大限の視界を確保せよ。それが、スバルの安全哲学。視界要件に、室内空間と荷室容量を考え、空力要件を考慮に入れると、最早デザインの余地はなく。。。こうなりました!
もちろん、進化も忘れません。フェンダーは力強さを増しています。フロントフェンダーは、繋がり眉毛とフェンダーの稜線を接続する一方、Aピラーはフロントグリルのライン延長線上に立ち上げ、2段構成することで逞しいボリューム感を持たせています。一方のリヤは、上屋を後方に絞り込んでいくことで、リヤフェンダーにハイライトを設け、張り出し感を強調。ここでも、SUVらしい力強いイメージを演出しています。
リヤエンドは、新型クロストレックの注目ポイント。フロントの低重心感に対して、リヤの車高がグッと引き上げられているように見えます。ガシッと腰高な印象がGT系との違いを強調、SUVらしい逞しさを感じさせます。コンビランプは、ソルテラとレヴォーグをミックスしたイメージ。ガーニッシュに食い込む造形を採用。プロテクタは、フロント同様にソリッドかつ大胆な造形。タフネスイメージを強くアピールします。
オーソドックスだけど使いやすい。スバルらしいインテリア。
インテリアは機能優先、いつものスバルスタイル。慣れてしまうと、この方が落ち着くのですが、初見の方にパッと見で「地味!」と言われてしまうかも知れません。ただ、毎日飲む御御御付と一緒、インテリアも毎日使うものですから、突飛なデザインより、自然な方が馴染むというものです。
機能優先のため、レイアウトは先代とまったく共通。大きく異なるのは、新たに採用されたインフォテイメントシステム。センターに巨大なディスプレイを配置し、エアコン等の各種操作を画面上に統合。これに伴い、最低限のものを残して、メカニカルスイッチを廃止。センターコンソールは、極めてシンプルな構成となっています。
ディスプレイ上には、ドライバーモニタリングシステムを搭載。表情認識により居眠りやよそ見など危険の兆候を察知、注意喚起を行います。また、ドライバーを識別が可能で、登録した運転席シート及びサイドミラーのポジションを呼び出すことができます。夫婦でクルマを共有する時など、シート位置がズレててイラッ!とした経験があるかも知れません。そんな方には、最適・最高の装備です。
なお、新型クロストレックでは、アイサイトXの搭載を見送ったため、レヴォーグのような全面ディスプレイメータパネルは採用していません。GT系同様に、左右にメカニカルメータ。センターにディスプレイを配置しています。
インテリアで今回最も力を入れたのが、フロントシート。大学医学部との共同研究により、仙骨を支持するという、全く新たなシート構造を採用しています。仙骨とは脊椎の下、骨盤の一部を成す逆三角形状の骨。脊髄を内包し、寛骨と関節接合するため、複雑かつ重要な部位です。新型クロストレックのフロントシートは、仙骨を積極的に支持。骨盤を安定させることで、体全体を安定させ、揺さぶられ感を軽減します。また、シートフレームも変更。従来はブラケットを介してシートレールをフロアに固定していたものを、レールを直接固定。これにより、シートの支持剛性を向上させています。
フルインナーフレーム構造を導入。進化を遂げた第2世代SGP。
スバルは2世代に一度、プラットフォームを含めた全面改良を行います。前回のGT系がSGP導入を含めた全面改良でしたから、今回はフツーのフルモデルチェンジ。プラットフォームは基本的にキャリーオーバー。ただ、だからと言ってスキンチェンジでお茶を濁す、なんて事はスバルはしません。しっかり、プラットフォームは第2世代SGPへと進化を遂げているのです。
第2世代SGPの特徴は2つ。1つは、フルインナーフレーム構造。ホワイトボディの製造工程を変更し、骨格部材を先に組み立てることで、部材間の接合点増加を実現。主要設計を維持したまま、構造強化が実現します。2つ目は、構造用接着剤のさらなる積極導入。接着剤塗布延長を3倍程度まで増やすことで、骨格構造のさらなる強化・強靭化を図っています。
これらSGPの進化がもたらす効果は、ボディ剛性向上と共振の抑制。スバルならではの走り、「動的質感」をさらに改善すると共に、快適性の向上も図っています。
剛性とは、変形のしにくさ。アスリートが体幹強化を図るのと、全く同じ原理。ボディ全体及び各部の剛性向上により、タイヤの位置決め剛性が向上し、外乱に対する抵抗性が高くなります。簡単に言えば、ゲンナリなドタバタ感が無くなり、いつでもビシッとシャキッと走り、落ち着きと穏やかさに溢れた盤石な挙動を実現します。
続いては、共振の抑制。路面入力とパネル・フロア等が共振すると、ドンッ!バタンッ!と不快な音や振動が生じます。構造用接着剤は、解決策の一つ。新型クロストレックでは、塗布延長を3倍にしただけでなく、ルーフパネルとブレースの接合に効果の高い弾性接着剤を初採用。ルーフパネルの共振を抑制。快適性の改善を図っています。
スバルは、これら改善の目的を「乗り心地改善」に置いています。音とは、圧力変動そのもの。パネルが共振するとスピーカの如く空気を揺らし、クルマ酔いの原因ともなる不快な圧力変動を生み出します。各部の剛性を改善し、共振を抑制することで、車内空間の快適性全体の改善を図っているのです。
中途半端にあらず、イイとこ取り。走りも良くて、中も広い。
クロスオーバーとは、ハッチバックとSUVの足し算。つまり、軽快な走りとタフな走破性の足し算。クロストレックは中途半端なのではなく、逆に「イイとこ取り」なのです。
全てがコントロール下にある信頼感と、路面状況に左右されない安心感。常に冷静で、いつも盤石。スバル独特の走りの源は、低重心・左右対称パッケージングの賜物。だからって、折角の重心が高くちゃ意味がない。SUVボディでは、スバルの魅力は半減。だからこそのクロスオーバーなのです。
スバルの走りの源となるのが、水平対向エンジン+シンメトリカルAWDで構成される低重心・完全左右対称のドライブトレイン。重心の低さはコーナリングの安定性に繋がり、左右対称性は高速走行時の安定性に直結します。その魅力が発揮されるのが、コーナリング。コーナーへの進入がとにかく爽やか。ステアリング操作に素直に反応して、スッとノーズが自然に入っていきます。穏やかながら、実に軽快。何処までも走っていける、そんな気持ちにさせてくれるハンドリングです。
ただ、効能はそれだけに留まりません。高速道路のトンネル出口での突風。家路を急ぐ最中に見舞われたゲリラ豪雨。やおら積り出した春先のにわか雪。恐怖と不安がストレスになる、そんな時。重心の低さと、完全左右対称のAWDシステムが威力を発揮します。トラクションが左右均等に掛かるので、滑りやすい路面でもビタッと安定。前後輪共にしっかりトラクションが掛かるので、フラツキ感が一切ありません。
ところが、その走りも重心が高くなっては、折角の魅力も半減。走って、素直。曲がって、自然。止まって、盤石。その魅力を存分に味わうのなら、やっぱりクロスオーバーの方がイイのです。SUVが花盛りの今、やっぱり本格SUVに目が行きがち。でも、乗用車系ボディのクロスオーバーだから、重心の低さを維持できるクロスオーバーだからこそ、発揮できる魅力があるのです。
最新のver.4搭載。超広角カメラ追加で最高峰の性能に進化。
今じゃ禁句の「自動ブレーキ」「ぶつからないクルマ」等々、数々の名文句を残したアイサイトver.2は、ADAS(先進運転支援システム)の嚆矢でした。以来、約10年。ADASは日進月歩の進化を続け、今や装着が義務化されるに至っています。もちろん、本家アイサイトも負けじと進化を続けています。
新型クロストレックに搭載されるアイサイト・ver.4は、海外製ユニットをコアにした、最新パッケージのさらなる最新版。ポイントは、新たに追加された3つ目のカメラ。これは、横断する歩行者や自転車の検知を目的とした超広角単眼カメラ。これにより、従来ではステレオカメラの検知範囲外だったシーンにも対応。プリクラッシュブレーキの作動シーンを大きく拡大し、予防安全を一層向上させています。
スバルがアイサイトの開発を進める目的は、唯一つ。2030年にスバル車の死亡交通事故ゼロを達成すること。スバルの車内でも、車外でも、決して命を危険に晒さない。自動車が凶器であるという言葉を過去のものとするため、スバルは一歩一歩着実に前進を続けてきたのです。
アイサイトの最大の特徴は、安心感。追従クルコン、レーンキープ、プリクラッシュブレーキ、そのどれを取ってもドライバーや乗員を不安にさせるような事は、一切ありません。常にスムーズで穏やか。まるで、ベテランドライバーの如く綺麗なドライビング・アシストです。それもそのはず。すばるは、ベテランドライバーのドライビングを各モデルごとに解析。そのモデルごとに最適な制御をしているのです。レヴォーグ、フォレスター、クロストレックと、車両特性は全く異なります。だから、制御も全く違う。当たり前のようですが、実は当たり前ではないのです。
ただ、アイサイトがスムーズで安心感に溢れているのは、アイサイトが優秀なだけではありません。低重心・左右対称のパワートレインの生み出す走行安定性、スムーズさに溢れたエンジンのトルク特性、高剛性のサスペンション、ボディ、ステアリング、強力かつキャパシティの大きなブレーキ。ありとあらゆるコンポーネントが、素晴らしく調律されているからこそ、生み出せる安心感なのです。